農薬マラチオンが混入されたアクリフーズの群馬工場前には報道陣の姿も=2014年1月25日午後、群馬県邑楽(おうら)郡大泉町(三尾郁恵撮影)【拡大】
容疑は否認
マルハニチロホールディングスの子会社アクリフーズの群馬工場(群馬県大泉町)で製造した冷凍食品から農薬「マラチオン」が検出された事件で、群馬県警は1月25日、偽計業務妨害の疑いで、大泉町古氷、工場契約社員の阿部利樹容疑者(49)を逮捕した。「覚えていない」と否認しているという。発覚から約1カ月。厚生労働省のまとめでは、全国で2800人以上の健康被害が疑われている。「食の不安」を引き起こした事件は、大きく動きだした。県警は動機や混入方法を詳しく調べる。
逮捕容疑は、昨年(2013年)10月3~7日ごろ、群馬工場内で4回、ピザとチキンナゲット、コロッケ2種類の計4商品にマラチオンを混入し、業務を妨害した疑い。阿部容疑者は2005年10月から工場で勤務し、ピザの製造ラインを担当。コロッケなど他の商品の製造には通常、携わっていなかった。県警によると、阿部容疑者は今月(1月)14日夕方まで、返品されてきた商品の確認作業のため工場で勤務した後、行方が分からなくなっていた。埼玉県警が24日夜に埼玉県幸手市内の駐車場で発見、家族から家出人の届けが出ていたことから保護し、群馬県警に連絡。群馬県警が25日に任意同行し、取り調べていた。