≪人道支援ルート確保なお調整≫
シリア内戦の終結に向けた当事者間の直接協議を仲介するラフダール・ブラヒミ国連・アラブ連盟合同特別代表(80)は1月26日、反体制派の拠点で政府軍が包囲する中部ホムス旧市街からの女性と子供の避難にアサド政権側が同意したと明らかにした。実現すれば、25日に始まった直接協議で初の成果となる。
政権側と反体制派統一組織「シリア国民連合」の代表団は27日、政権移行の議論も始めるが、バッシャール・アサド大統領(48)の処遇をめぐり双方の意見の隔たりは大きい。
ホムスはシリア中部の交通の要衝で、内戦の本格化後に戦闘が激化した。旧市街では政府軍の包囲で住民が1年以上、身動きできない状態が続いている。
ただ、政権側は反体制派の戦闘員が脱出することを防ぐため、避難する女性や子供の名簿提出を求めた。また、政権側は反体制側が阻止しない場合のみ避難が可能としており、実現には不透明さもある。一方、国民連合側は反体制派武装勢力による拘束者の名簿作成に努めることを約束した。