「第3の万能細胞」となるSTAP細胞は、細胞を酸性の溶液に一時的に漬けて培養するだけ。信じられないほど簡単で、理研チームは「染色体に異常は見られない」とする。
本当か?
論文の共著者の一人となった理研の笹井芳樹発生・再生科学総合研究センター副センター長は当初「そんなこと、あるんかいな」と思った。
論文を掲載した英科学誌ネイチャーのレフェリー(審査員)も同じだ。植物では、環境の変化に応じて細胞が未熟な状態に戻ることは知られていた。しかし、酸性の溶液の中という厳しい環境を生き延びた動物の細胞の一部が未熟に戻るということはあり得ないと考えられていたからだ。
筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダーは、昨年(2013年)3月の投稿から掲載が決まるまでの9カ月間、追加の実験に追われた。何日間も細胞の動きを撮影し、遺伝子解析などを行い、レフェリーから繰り出される質問に一つ一つ答えた。