(2)憲法裁が無効判断
政治の空転回避に向けて動向が注目されているのが憲法裁判所だ。
民主党は今回の選挙が「全国で同一の日に実施」と定めた憲法に違反するとして、憲法裁に無効を訴える方針。認められれば選挙はやり直しとなる。
今回の反政府デモは、インラック・シナワット首相(46)が昨年(2013年)11月、汚職の罪で国外逃亡中の兄、タクシン・シナワット元首相(64)の復権に道を開く恩赦法案を強行採決しようとしたことが発端だ。憲法裁判所はタクシン氏が失脚した2006年以降、一貫してタクシン派に不利な判決を下し続けており、無効判断の可能性は高いとみられている。
ただ、チュラロンコン大学のポンサン教授は「選挙をやり直しても今回と同じトラブルが繰り返される」と指摘する。
それを避けるには、反政府派が主張する選挙前の「政治改革」が必要だが、自らが不利になる改革に政権側が応じるのは困難で、今回の選挙で投票した北部や東北部のタクシン派の反発も必至だ。
(3)首相失職
反政府派勢力に、タクシン派の押さえ込み役として期待されているのが軍だ。06年にクーデターでタクシン氏を失脚させて以降、タクシン派に圧力をかけ続けてきた実績がある。