日本が銅メダルを獲得したノルディックスキー・ジャンプ男子団体に、2番手として臨んだ竹内択(たく、26)は2月17日、試合後の記者会見で、難病の「チャーグ・ストラウス症候群」の疑いが高いと告白した。1月に約2週間、入院を余儀なくされたが、必死に体力を戻し、ソチで飛んだ。「同じ病気で苦しんでいる人に諦めないで頑張れば、念じていればメダルが取れるということを伝えたかった」と、涙ながらにメッセージを送った。
「もしかして死んでしまうんじゃないか…」。1月上旬、竹内は医師からチャーグ・ストラウス症候群に罹患(りかん)している可能性が8割だと言い渡された。
体調の異変に気づいたのは年末年始のジャンプ週間だ。風邪をこじらせ、風呂で手を挙げるだけでも疲労感を覚えるようになり、39度の熱が出た。帰国後、すぐ診察を受けると入院が決まった。チャーグ・ストラウス症候群は120万人に1人がかかるといわれる血管の病気で、激しいせきや、関節や筋肉の痛みなどの症状が出る。
入院中、それでも子供のころからの夢である「五輪のメダル」は諦められなかった。ベッドで腹筋と背筋を繰り返し、エアロバイクを買って病室に持ち込み汗を流した。