ウクライナ・首都キエフ市街【拡大】
ウクライナの首都キエフで反政権デモ隊と治安部隊の衝突が拡大し、欧州連合(EU)や米国がヤヌコビッチ政権に対する制裁実施の動きを強めている。だが、問題を複雑にしているのは、おおむね平和的だった昨年(2013年)11月以来のデモがここにきて急速に暴力化し、それが政権側の報復的な強硬措置を招いたという構図だ。政権と野党の双方にとって制御不能となりつつあるデモの中核に、過激な民族主義勢力の存在がある。
「右派セクター」形成
デモ隊が占拠するキエフ中心部の独立広場。火炎瓶が飛び交って広場や周辺の建物が激しく燃え上がり、現地からの映像ではデモ隊側が小銃を発射していることも確認された。2月18日に再燃した大規模衝突の光景は、特設ステージで演説やイベントが行われてきた平和的なデモとはほど遠い。
「われわれはいかなる合意もしておらず、立ち上がった民衆による攻撃は続かねばならない」