ウエットスーツの余った生地や、アーミーブーツの靴底まで。廃材を保管する倉庫は「宝の山」=2014年2月7日、千葉県木更津市(瀧誠四郎撮影)【拡大】
筒井啓介さん(以下筒井) バッグのオファーもらったとき、うちのキャパは半分の5000枚しかなくて。残りは11カ所ぐらいの作業所に委託しました。やれない施設もたくさんあるなかで、やれる施設を見つけて。とはいえクオリティーは落とせないので、全ての施設に職員を派遣して、相手の職員に伝えた。サンプルを作ってもらって、ダメ出しして。OKだったら何百枚と発注した。とても大変だったんだけれど、それはしっかりした仕様書がなかったから。クライアントが全ての施設に足を運んでどうこうというのは不可能ですから、仕様書なりをきちんと作って、僕らが主として他の施設との間を調整する。そういうスキームを作れば、最低賃金の達成はありうる。
天童荒太(以下天童) わくわくする未来図ですね。話は変わりますが、地域とのつながりについてはどう思われてますか。
筒井 障害がある人は、そうそう簡単に引っ越せない。現時点でそこにいる地域で暮らさざるを得ない。そういう人が働きたいってなったとき、当たり前に働ける環境を作りたい。みなさんの税金をいただいて運営している以上、そういう場所を作っていかなければならない。自分の好きなものを買ったり、遊園地に行ったり。そういう僕らが当たり前にしていることが、当たり前ではないので。マンガ一冊買うかどうか迷っているとか聞くと、切なくなっちゃう。ほんとにささやかなことなんですよ。人間として当たり前の欲求を自分の働いたお金で満たす。それは地域でしかできない。