【国際情勢分析】
中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が3月5日、北京の人民大会堂で始まった。大会の冒頭、就任後初の政府活動報告を行った李克強(り・こくきょう)首相(58)は、「3月1日に発生した雲南省昆明駅でのテロ事件を強烈に非難する」と述べた。実はこの下り、事前に配布された“予定稿”には含まれていなかった。習近平(しゅう・きんぺい)指導部に少なからぬ衝撃を与えた全人代開幕直前の凶行は、その全容が未だに明らかになっていない。
「ウイグル族」以外不明
3月1日夜、旅行客らでにぎわう昆明駅前で突然、惨劇は起きた。刃物を持った集団が次々に、旅行客らに襲いかかり、これまで29人が死亡、140人以上が負傷した。公安当局はその場で犯行グループの4人を射殺、1人を拘束した。事件発生から2日後には、逃走していた残る容疑者3人も拘束した。
昆明市当局は「新疆(しんきょう)ウイグル自治区の分裂主義勢力による組織的な暴力テロ事件」と断定。射殺された4人と現場で拘束された1人の顔写真を公表した。中国のインターネット上に掲載された、その中の1枚が大きな波紋を呼んだ。そこに写っていたのは、あどけない表情をした少女。まだ16歳であることが明らかになり、中国国民の驚愕(きょうがく)はさらに膨らんだ。