「警察関係者の情報」は、この事件をテロ事件と混同したものなのか、それとも本当に隠された事実なのか-。いずれにしても当局が、新たなテロ事件の発生に、神経をとがらせていることは事実だろう。李克強首相は「少数民族と少数民族地区の発展を支援する政策措置を真剣に履行する」と約束したが、懐柔策の陰で、ウイグル族やチベット族に対する監視はさらに強化される可能性がある。
昆明市では今、多くのタクシー運転手がウイグル族居住区へ行くことを拒むようになっている。漢族のホテル従業員は「よほどの用事がない限り、あの地区には行かない」と話した。当局が全容の公表を控え、「新疆ウイグル自治区の分裂主義勢力による組織的な暴力テロ事件」と強調し続ければ、「ウイグル族=危険分子」という誤った認識が、一般市民の間に定着しかねない。(中国総局 川越一(かわごえ・はじめ)/SANKEI EXPRESS)