カメラチェックの時間はカットされ、目の前の情景と向き合う時間が増加。そして写真屋に現像を頼まねばならないということもあって、出来上がりをワクワク待つというのも、何でもかんでも指先サササで手に入る時代には大変に貴重でのんびりと人間臭い時間となり、また現像が仕上がってから家族でワイワイ見る、あるいは失敗写真から情景を連想し、話し合う、そしてこれをウキウキとアルバムに収めるなどという段階的な動作も含めて、写真というものの思い出を引き出す装置としての効果は、もしかするとやっぱりアナログにあるのではないかという確信が膨らみ、それからはインスタントカメラを推薦して回っているのだ。あちこちで再び販売を始めたら案外売れるのではないかと思っているのだけれど、流石(さすが)にそれは幻想なのだろうか。(SANKEI EXPRESS)
■ながつか・けいし 1975年5月9日、東京生まれ。96年、演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」を結成。ロンドン留学を経て、新プロジェクト「葛河思潮社」を立ち上げた。