1人の力で世界の大舞台で戦うことは難しい。競泳は、個人競技であり、「チーム力」が武器となる団体競技ではない。スタート台へ立ったとき、たった一人で戦いに挑まなければならない。まさに「孤独」との戦い。私も経験したが、大きな重圧を感じ、不安や恐怖心を1人で抱える。
競泳のリレーもジャンプの団体も、戦うときは1人だ。
個人競技の「孤独」をいかに「チーム力」でカバーし、個々がベストのパフォーマンスを発揮できるようにするか-。実は競泳チームは、私が出場した14年前の2000年シドニー五輪の前からこの課題に取り組んでいた。
当時の日本代表の上野広治ヘッドコーチ(現監督)が中心となり、スタッフがミーティングを重ねた。そこでヒントを得たのが、団体競技の「チーム力」だった。「個々の力を結集しそれぞれの気持ちを一つにすることで、チームとしての目的意識を統一できると」考えた。
大舞台で極限の緊張感を感じたとき、選手の気持ちは「失敗したらどうしよう」「勝てなかったらどうしよう」と、マイナス思考に陥ってしまうことがある。そうなると、不安は大きくなり、ベストパフォーマンスをみせることは難しくなる。