そんなとき、チームの存在を感じることができたら、どうだろうか。「チームに勢いをつけよう」「次の人にいい形でバトンをつなごう」といった、気持ちになれる。自分自身の内側に気持ちを向けるのではなく、「チームのために、自分自身ができることは何か」と、プラス方向へベクトルを向けられるようになるのだ。
北島康介選手の背中
「競泳ニッポン」チームは、日本代表として選ばれた選手や指導者が、それぞれの所属の垣根を越え、研究や情報交換などが自然にできる雰囲気になっていた。
もちろん最初は、戸惑いもあった。代表チームといっても、同じ種目のライバル同士もいるからだ。しかし、「チームの輪」「オープンマインド」をスローガンに掲げ、意思統一を図ったことで、プレッシャーや不安、恐怖心をみんなで共有し、乗り越えていくスタイルが次第に確立されていった。
大会前のミーティングでは、メダリストや指導者が、メダルを獲得したプロセスや心構えを話した。初出場の選手も、何度も五輪を経験しているような気持ちになり、本番で落ち着いてレースができたという。