オバマ氏のお膳立てで安倍氏と朴氏がようやく同じテーブルに着いた。首相は日韓間の「溝」を広げる要因となっている歴史認識問題を封印し、日韓関係改善への糸口を探った。しかし韓国国内の厳しい「反日世論」を背にする朴氏の対応は“事務的”の域を出ず、日韓の「雪解け」はなお遠い現実を印象づけた。
冷え込む日韓関係を象徴する空気は、会談冒頭から隠しようもなかった。首相は韓国語で「朴大統領、お会いできてうれしい」とあいさつしたが、朴氏は一瞥(いちべつ)しただけで厳しい表情を崩さなかった。記者団に3人での握手を求められても、首相と朴氏は逡巡(しゅんじゅん)しオバマ氏が苦笑する場面もあった。
会談では、核・ミサイル開発を進める北朝鮮問題への共同対処で一致した。ただ、対北連携は日米韓間の“定番”の確認事項。首相は歴史認識だけでなく、自身の「積極的平和主義」政策などに関する言及も控えた。
日本にとって、安全保障上の「脅威」となる北朝鮮や中国を牽制(けんせい)するためには、韓国との正常な関係が不可欠だからだ。首相は慰安婦募集の強制性を認めた「河野洋平官房長官談話」を見直さないと宣言してまで、韓国と真剣に向き合う姿勢を示してきた。