しかも、来年春には統一地方選が控えている。安全保障政策は選挙で票に結びつきにくく、野党の一部にある「首相は戦争のできる国に変えようとしている」というデマゴーグに世論がなびかないともかぎらない。そんな安易な考えの議員が“増殖”する可能性は否定できない。
さらに、その先にあるのは来年9月の自民党総裁選。党内最大の首相の出身派閥、町村派(清和政策研究会)に対抗して、政界を引退した青木幹雄元参院議員会長の影響力がいまだに及ぶ額賀(ぬかが)派(平成研究会)と、同じく引退した古賀誠元幹事長を名誉会長に据える岸田派(宏池会)が手を組み、「安倍降ろし」に走る可能性もある。すでに古賀氏は「閣議決定による解釈改憲はルール違反だ」などと首相批判を繰り返している。
思い起こされるのは、福田赳夫(たけお)首相と大平正芳(まさよし)幹事長による1978年の総裁選だ。このとき、党員による予備選が行われ、田中角栄(かくえい)元首相の全面支援を受けた大平氏が当選-。町村派が福田派、額賀派が田中派、岸田派が大平派の系譜を継いでいるのは言うまでもない。(坂井広志/SANKEI EXPRESS)