ワイダ監督が本作の時代設定を、70年から、総選挙を経て非共産政権が誕生、民主化が実現した89年までとしたのは、「ワレサ氏の人間としての成長に焦点を当てたかったし、それが映画の最大のテーマなのだから」と説明した。連帯の一員としてワイダ監督個人としても89年は国会議員に当選し、思い出深いものとなったので、ハイライトとしてそこで映画の進行を止めたいと考えたという。
孤独じゃない
まるで登場人物に乗り移ってしまったかのような、ビェンツキェビチや、ワレサ氏の妻を演じたアグニェシュカ・グロホフスカ(34)の自然な演技が印象的だ。「俳優たちには『学歴がないとか、自分たちは労働者だとか、そんなことは何の意味も持たないと認識してほしい』と意識を徹底させたんだ。大切なのは、搾取されないように自分たちの利益を守ろうという気持ちを大切にし、日々学びを重ね、人間として成長していくことだとね」。ワイダ監督は役作りの一端を説明した。