≪タリバン妨害 和平交渉は前途多難≫
アフガニスタンの大統領選で、国民はテロなど混乱が続く国の再建に一票を託した。駐留国際部隊の戦闘任務終了を年末に控えるが、反政府武装勢力タリバンとの和平交渉に進展は見えず、新政権の前途は多難だ。選挙戦は合従連衡が進み、候補者らの思惑が交錯した。
権力継承へ布石
「今日、ザルマイ・ラスール前外相に合流することを正式に表明する」
選挙戦が中盤にさしかかった3月6日、カルザイ大統領の兄、カユーム・カルザイ元下院議員はラスール氏とともにカブールで記者会見し、選挙戦からの撤退を宣言した。
撤退にはカルザイ氏の強い意向が働いたとの分析が有力だ。カルザイ氏とカユーム氏、ラスール氏は、多数派民族パシュトゥン人の二大部族のうち、南部を地盤とするドゥラニ部族の出身。カルザイ氏の権力を継承するため、同じ部族出身者の間で票が分散するのを避ける狙いがあったとみられている。
ラスール氏はカルザイ氏の意中の候補と目されており、大統領になれば、カルザイ氏は「舞台裏から影響力を行使できる」(英紙)との見方もある。選挙戦の行方を左右するパシュトゥン票の行方をめぐり、終盤まで激しい駆け引きが続いた。