東方への影響力拡大
宗教的観点から今回のウクライナの政変を見ると、カトリック教会の東方への影響力拡大という面がある。英国国教会の長であるエリザベス女王が、フランシスコ教皇と会見したという事実自体が、キリスト教の世界では、英国国教会がウクライナの新政権を支持しているという意味を持つ。
この訪問に対して、ロシアは、カトリック教会と英国が連携を強化してウクライナ新政権を支援するというシグナルと見なすであろう。ウクライナ正教会には、独立系とロシア系がある。ロシアのプーチン政権は、ロシア正教会が自らの管轄下にあるウクライナ正教会の活動を強化し、カトリック教会に付け入る隙を与えないように腐心するであろう。ウクライナ危機は深刻になるとともに宗教対立が顕在化している。ユニエイト教会の信者と正教会の信者が衝突する可能性も出てきた。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(まさる)/SANKEI EXPRESS)