お菓子に変身
「なにわの伝統野菜」を生かした新しい名物も生まれている。大阪市阿倍野区の豊下製菓は「なにわの伝統飴(あめ)野菜」を製造している。もともと大阪は飴づくりが盛んで、豊下製菓も明治5年創業の老舗。まさに伝統の野菜と飴のコラボレーションだ。
飴作りは、豊下正良社長が2000年に開催された伝統野菜の収穫イベントに参加したのがきっかけ。幼い頃に食べていた天王寺蕪(かぶら)を再び食べ、飴に使ってみようと試作を開始。02年には田辺大根、勝間南瓜(こつまなんきん)など7種類の伝統野菜を使った「なにわの伝統飴野菜」を発売し、現在は9種類まで増えた。
飴は一つ一つ手作り。野菜の汁を搾り、砂糖と水飴を煮詰めたものに加える。味はもちろん、色や形も伝統野菜そのものに見えるよう細工されている。「飴づくりが伝統野菜復活の支えになれば」と、豊下社長。
飴だけでなく、勝間南瓜のもなかや毛馬胡瓜(けまきゅうり)のゼリーも売り出した。お菓子に生まれ変わった伝統野菜を味わってほしい。