一方で、やはりタカ派のセントルイス連銀のジェームズ・ブラード総裁(53)は「民間調査でも(議長と)同様の(早期利上げ)予想が示されている。議長はそれを繰り返しただけだと思う」と指摘。市場は来春のゼロ金利解除も視野にあり、イエレン氏の発言自体に違和感はないとの見方を示している。
当のイエレン氏は3月末の講演で、ゼロ金利解除の見通しについて直接の言及は避けながらも、「多くの国民にはまだ景気後退のように感じられている」と述べ、引き続き緩和的な金融政策で米景気を支える姿勢をにじませた。自身の発言の余波に慎重になったともとれる。
ただ、量的緩和縮小の次の金融政策の転換点としてゼロ金利解除が焦点になってきたのは確か。ある米銀エコノミストも「FRB内で議論が今後加速する」と指摘している。(ワシントン支局 柿内公輔(かきうち・こうすけ)/SANKEI EXPRESS)