39人が死亡・行方不明となった昨年(2013年)10月の台風26号による伊豆大島(東京都大島町)の土石流災害は、4月16日で半年を迎える。町は、災害を教訓に大雨における独自の避難指示基準策定や防災対応の専用職員を配置するなど対策を進める。ただ、住宅や店舗の移転など復興計画はまとまっておらず、被災地区には今も更地が広がる。「この先どうなるのか不安。でも前を向いて行く」。被災者らは不安も口にするが、徐々に復興に向けて歩み始めている。
家族分断の懸念
「部屋が狭く、自宅に人を迎えることもできない…」。町中心部の元町地区で、家族経営する民宿と自宅が半壊した市村よし子さん(67)は、廃校となった小学校校庭の仮設住宅でため息を漏らした。
6畳一間の1人暮らし用の仮住まいは、家具を置いたら布団を敷くのもやっと。以前は島を出た娘たちや孫、親類らが頻繁に訪ねてきてくれたが、泊めることはできない。「長引くと、足が途絶えちゃうかもしれないよね」。市村さんは、孫らと疎遠になることを懸念する。
ただ、元の自宅に戻ったとしても手放しでは喜べない。土砂が濁流とともに生活をのみ込んだ沢が、近くにある。「元町に帰りたい。でも、あの時の恐ろしさは忘れられない」。複雑な心境をのぞかせる。