同居していた長男は、民宿の再建に向け努力を続けている。「近くの公営住宅に住んで、民宿が忙しいときだけ手伝いに行こうと思う」。災害は家族の分断も生みかねない。
見えない未来に不安を抱える被災者らも多い。仮設住宅の入居期限は2年で2016年1月には、自宅の再建や公営住宅の入居を決断しなければならない。
町は砂防ダムの拡張工事などの計画は進めているが、工事に伴う住宅や店舗の移転対象などは定まっていない。元町地区の自宅が全壊し、仮設住宅で夫と暮らす会社員の須田由美さん(46)は「元の場所で住めるのか、住めないのか。早く結論を出してほしい」と訴える。
役所に頼ってばかりでは…
それでも前を見据える被災者らもいる。元町地区の自宅が壊れた無職の藤井勝夫さん(87)は、妻のセンさん(86)と公営住宅への入居の希望を決めた。
雨が降る度に気が重くなり、自宅のあった場所には立ち寄らないようにしている。今年3月には自宅を解体した。「もう年なので、安心して落ち着ける環境で静かに暮らしたいです」。藤井さんは語る。