4月17日の協議を終えた後のマイケル・フロマン米通商代表(左)と甘利明(あまり・あきら)TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)担当相=2014年、米国・首都ワシントン(共同)【拡大】
「交渉を収斂させるために来たのであり、拡散させるために来たのではない」。甘利明(あまり・あきら)TPP担当相は、米国産牛肉の料理に手を付けず声を荒らげた。フロマン米通商代表は「受け止め方に誤解がある」といなしたが、24日に迫る日米首脳会談の成功を演出したい日本側に譲歩の余地があるだろうと、足元を見たのは間違いない。
焦点は、牛・豚肉関税にほぼ絞られている。日本はオーストラリアと大筋合意したEPAにならい、38.5%の牛肉関税を半分程度に引き下げることで理解を得たい考えだ。豚肉は高価格帯に限って関税を撤廃し、それ以外は関税の引き下げで矛を収めてもらう戦略だ。
牛肉関税をめぐる日本とオーストラリアの大筋合意に、米畜産団体は一斉に「強い懸念」を表明した。全米肉牛生産者・牛肉協会は「世界の消費者と生産者に不利益をもたらす」と批判する。対日輸出での競争上不利になるだけでなく、TPPでの自由化水準の低下を招く「悪い前例」になりかねないためだ。