首都ソウル市内で個人賠償を求めてシュプレヒコールを上げる、日本統治時代に日本企業に徴用された労働者や遺族ら。韓国では近代法の精神を無視した異端の立法や判決が恥も外聞もなく続出する=2013年12月4日、韓国(共同)【拡大】
相手を討ち取るまで自身にさえ止めることのできない、異様な執念には戦慄させられる。フランス人宣教師シャルル・ダレ(1829~78年)も強い衝撃を受けた外国人の一人であった。
ダレが李朝(1392~1910年)末期の1874年に著した《朝鮮教会史》の序論《朝鮮事情=平凡社》は、大国出身の白人キリスト者の、当時の東アジアに対する常識=偏見を考慮しても資料価値が高い。厳しい鎖国体制下の李朝に潜伏したほぼ唯一の欧米人組織・パリ宣教会所属の、他の仏人宣教師による頻繁な手紙を素(もと)にしているためだ。
《父の仇(かたき)を討たなかったら父子関係が否認され、私生児となり、姓を名乗る権利さえなくなってしまう。この不幸は、祖先崇拝だけで成り立っている国の宗教の根本を侵す。父が合法的に殺されても、仇或(ある)いはその子を、父と同じ境遇に陥れなければならず、父が流罪になれば(流罪を仕向けた相手も)流罪にしてやらねばならない。暗殺された場合も同じ行為が求められる。犯人は大抵無罪となる。国民感情が彼に与(くみ)するからである》