【Viva!ヨーロッパ】
英国では今年、300年前に始まった「ジョージ王の時代」にスポットライトを当てた美術館の展示やイベント、テレビ番組などがめじろ押しだ。将来、英国王となる生後8カ月のジョージ王子も、この4月にニュージーランドとオーストラリアを初外遊し、「ジョージ・ブーム」を巻き起こした。元祖「ジョージ王」とは、どんな指導者だったのか、探ってみた。
英語が話せない君主
ロンドン中心部にあるエリザベス女王(88)の公邸、バッキンガム宮殿に隣接したクイーンズ・ギャラリー(女王の美術館)で4月、「初期のジョージ王たち:1714-1760年の芸術と君主制」という展示が始まったので、出かけた。
レッド・ルームの深紅の壁には、くり毛の馬にまたがった英国王・ジョージ1世(1660~1727年)のひときわ大きな絵画が飾られていた。その反対側の壁には、皇太子時代のジョージ2世(1683~1760年)の絵画が掛けられていた。