国際宇宙ステーション(ISS)船長という大役を果たした若田光一さん(50)は、宇宙大国の米国とロシアの飛行士を率い、有人宇宙開発の貴重なノウハウを会得した。関係者からは早くも第2、第3の日本人船長を期待する声が上がる。厳しく経費削減を迫られる中、日本はISS計画にどう関わっていくのか。国の議論は始まったばかりだ。
ウクライナ情勢波及
「ISSを少なくとも2024年まで運用する」。若田さんが長期滞在中の1月、米航空宇宙局(NASA)は国際会議で、運用を延長する方針を公式に表明した。会議に参加した下村博文(しもむら・はくぶん)文部科学相は「日本も前向きに考えるべきだ」と素早く反応した。
ISSは宇宙での建設開始から15年間以上が経過した。各国は20年までの運用に合意しているが、その先は未定。NASAは小惑星や火星といった遠い宇宙に有人探査の重点を移しつつあり、ISSの取り扱いが注目されていた。
老朽化で部品の故障も相次ぐISSだが、科学実験などの定常的な運用は順調だ。ウクライナ情勢をめぐり米国とロシアが対立する中で、ISSは数少ない両国の接点となり、予期せぬ形でも存在感を発揮した。