続く2回目では、安野モヨコの「シュガシュガルーン」をテーマにした。安野は、ティーン向けのファッション雑誌が台頭した1990年代において、改めてマンガの中のファッションの魅力を提示した作家だ。読者への影響も大きく、少女マンガとファッションの関係において、エポックメーキングな一人である。
作品と共通するテーマ
3回目は、そうした過去2回の経験を踏まえたプロジェクトの集大成的な回である。なぜなら、今回テーマにした作品は、現在進行中で少女たちに影響を与えている人気作品だからだ。
ひとつは、『マーガレット』に今年の4月まで連載していた「マイルノビッチ」(佐藤ざくり)。そして、もうひとつは、『別冊マーガレット』に連載中の「君に届け」(椎名軽穂)だ。この2作品に共通するテーマは、ずばり「恋」だ。「恋」によって、主人公は、内外面をも成長させていく。この要素が、本プロジェクトのコンセプトにもぴったりだった。「Kyoto MaGiC」には、「少女マンガが教えてくれたかわいくなるための魔法」という意味を込めていたからだ。