ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(61)はここにきて「ウクライナ国民の選択を尊重する」と述べ、選挙結果を容認する構えを見せる。米欧の追加制裁を回避し、クリミア併合の既成事実化を図る思惑とみられる。
ただ、改憲などによる「東部住民の権利保護」を暫定政権に迫ってきた経緯があり、関係が改善に向かうかはなお不透明だ。
≪投票所の大半閉鎖 「すでに表現の自由ない」≫
混乱が続くウクライナで5月25日、投票が行われた大統領選。親ロシア派のヤヌコビッチ前政権を崩壊させた政変から約3カ月たち、ようやく正式政権への移行を目指すことになる。首都キエフでは、新大統領の下で国情が安定することへの期待の声が上がる一方、親露派勢力が支配する東部では、多くの投票所が閉鎖され、有権者が投票できない事態に陥った。
「プーチン全て悪い」
キエフ中心部の投票所には25日、午前8時の投票開始から市民が次々と足を運んだ。女性医師のクラフチュクさん(52)は「実務能力があり、語学にも堪能」と、実業家のポロシェンコ候補に一票を投じた。