【メジャースカウトの春夏秋冬】恩師であるローイ・カーピンジャー氏(左)と大屋博行氏(アトランタ・ブレーブスの国際スカウト駐日担当)=1月18日、米国(大屋博行さん提供)【拡大】
ヤ軍、「日本野球」に理解
ヤンキース側が「日本の野球」に理解を示していることも、好影響を与えている。米国流の配球を端的に表現すれば「アグレッシブ」だ。マイナーでは若手投手に、「カウントが3ボールになったら、ど真ん中に直球を投げろ」と教えることも多い。
日本人は変化球でカウントを稼ぐ傾向がある。過去に渡米した日本人投手は、この日米の考え方の違いに戸惑わされた面もあった。野茂英雄、佐々木主浩、吉井理人らの各氏は、捕手のサインに首を振るケースが目についた。
田中投手の場合は、日本時代の投球スタイルを受け入れられている。ヤンキース側と田中投手が対話し、田中投手の投球術を尊重しながら、最大限に力を引き出す方向性を探っていると推測される。
技術的には硬いマウンド対策として、わずかに投球の際に踏みだす左足のステップを狭めたように映る。立ち上がりの課題も雰囲気になれるとともに、もう少し腕の振りを強くする意識があれば、徐々に解決していくはずだ。そう感じさせるだけの高い順応性を持っている。そして、その順応性こそが、メジャーリーグで成功する秘訣(ひけつ)だ。