反逆的な美しさ
次にタクーン氏はパールやダイヤの常識を創造的な形で破壊する。反逆(リベリオン)の名を冠し10年に誕生した「リファインド リベリオン」のシリーズでは、パールにツンと尖鋭なダイヤのツノを付ける。が、その際、パールの一部をカットしてしまうのだ。パールは一般的に、球体に近いほうが美しいとされる。その上、ツノのダイヤも、「伝統的なカッティングを施されたダイヤを逆さにして半分にし、通常は土台に組み込まれて見えないほうの半分を使ってみたら…」(タクーン氏)という逆転の発想の賜物(たまもの)だった。
「ダイヤもパールもともに古くからある伝統的なもの。それを新しい形で組み合わせ、モダンなものを作る。それがリベリオンという考え方なのです」。そう言ってタクーン氏は、シリーズの新作ネックレス「リファインド リベリオン スプレンディッド」を手にとり、「まるでダイヤとパールがダンスしているみたいでしょう?」と言った。なるほど、とんがりダイヤに密着したパールがまるで抱き寄せられているようで、60個がねじれながら連なるさまは、まるでダンスの軌跡のようにも見えた。