「ここが面白いわよ」。案内の女性が指した場所には4軒の木組みの家が並んでいた。「15~18世紀の各世紀に建てられた家が順番に並んでいる」と女性。木組みの家の歴史が一目でわかるというわけだ。
街で木組みの家が最初に建てられたのは14世紀。15世紀には技術の発展で、上層階を後で増築できるようになった。そのため当時の家は上層階が突き出している。16~17世紀には梁(はり)にも細やかな装飾が目立つ。18世紀の家が最も簡素なのは「市民が室内の方に凝るようになったから」(女性)。
街全体の木組みの家は約2000軒。第二次世界大戦の被害を免れた街では、旧東独政府が観光都市としての整備を決めた1970年代から老朽化した伝統家屋の改修が始まった。東西ドイツ統一後の90年代から作業は本格化し、94年に世界遺産に登録。大半の改修を終えたという。
初代国王と関わり
「以前は多くを取り壊す計画もあった。それを考えると今、とても誇りだね」。そう語るのは木組みの家に暮らす会社員、ゲルト・プロクシュさん(59)。17世紀の家屋を自身で5年かけて改修した。キッチンなど室内はモダンなつくりで、驚かされた。