ドイツには伝統的な木組みの家で知られる街は他にもある。だが、クヴェトリンブルク観光事務所の責任者、トーマス・ブラハト氏は「ここでは住民が木組みの家に暮らしている。質・量ともに他とは違う」と胸を張る。さらにブラハト氏が強調するのは、その「歴史」だ。
ドイツの起源は9世紀にフランク王国分割に伴い成立した東フランク王国。フランク王国を治めたカロリング王朝の血筋を持つ国王が途絶え、ザクセン大公が国王を代々務めたが、クヴェトリンブルクはその初代国王ハインリヒ1世(876~936年)と深い関わりを持っているのだ。
ハインリヒ1世が国王に就いたのは919年。国王選出の知らせを受けた際、ハインリヒはクヴェトリンブルクで野鳥狩りをしている最中だった。その後、この地に居城の一つを構え、息子のオットー1世(912~973年)の下で神聖ローマ帝国が築かれた後も、街は重要都市として発展した。