また、この日、東シナ海では中国とロシアが合同軍事演習を開始。南シナ海でも中国による石油掘削を発端にベトナムと中国が対立する中、積極的な関連発言はなく、記者の質問に、「争議棚上げ」や「資源共同開発」という台湾の従来の平和姿勢を強調するにとどまった。
固定票逃げるジレンマ
中国との急接近に対する社会不安を一因に馬政権の動きが鈍る中、民進党の蔡氏は28日、台北市内で行われた主席就任式で「党改革を進めて社会の期待に応え、政権を取り戻す」と語り、11月29日の大型地方選での勝利とともに、政権奪還への意欲をにじませた。
主席の任期は2年。16年次期総統選では蔡氏が民進党候補の最右翼に陣取ったことになるが、「対中政策という難題を解かない限り、政権奪還は困難」というのが与野党共通した見方だ。
12年総統選で蔡氏は、中国が民進党の独立志向を警戒する中、具体的な対中姿勢を打ち出せず、馬総統の再選を許し、主席を引責辞任した。