「急接近での不安も、関係悪化で台湾が地域経済で孤立する不安も与えてはいけない。中国とどう向き合うかは台湾の大きな問題」と与野党幹部。思惑が交錯する中、27日には民進党の施明徳(し・めいとく)元主席(73)や、馬政権下で国家安全会議秘書長も務めた国民党員の蘇起(そ・き)氏(64)らが、馬政権の「一つの中国」に代わる新たな原則を提唱した。
「大きな一つの中国の枠組み」の中で中台が相互に統治権を認め、併存の中で対話し、台湾の国際機関への加盟や、他国との正式な外交関係樹立の障害を除こうという考えだ。
台湾統一をめざす中国側にとっては容認しがたい理論とみられるが、中国との対話姿勢を大きなテーマとして静かに動き始めた台湾の政治に一石を投じそうだ。(台北支局 吉村剛史(よしむら・たけし)/SANKEI EXPRESS)