≪威圧的な中国の海洋進出牽制≫
日米欧とカナダの先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)が6月4、5両日(日本時間5日)、ベルギーの首都ブリュッセルで開かれた。焦点のウクライナ情勢では、5月の大統領選で勝利したペトロ・ポロシェンコ氏(48)を次期大統領として歓迎、安定化に向け結束して支援するとの首脳宣言を採択した。ポロシェンコ氏との協力をロシアに求め、応じなければ情勢次第で追加制裁を科す用意があると警告した。
安倍晋三首相(59)は会議で、ウクライナ情勢は「他の地域の問題に連動してくる」と指摘。中国の領有権主張や海洋進出を念頭に「力による威嚇は許されない」と述べた。首脳宣言は「東シナ海や南シナ海での緊張を深く懸念」した上で、現状を変更する「いかなる一方的な試みにも反対」すると強調。法の支配の重要性を訴え、名指しを避けつつ中国を牽制(けんせい)した。
経済分野では、ロシアを念頭にエネルギーを政治的な威圧や安全保障上の脅威として利用してはならないと非難。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は、早期妥結を目指すと明記した。