(1)天安門事件について謝罪すれば、民主化を求める大学生らの主張を認めることになる。習氏本人もその家族も、共産党一党独裁政権の恩恵を受けた特権階級であり、そもそも民主化を受け入れるはずがない。
(2)習主席は保守派と軍に主な支持基盤を持つ。江沢民(こう・たくみん)氏(87)、李鵬(り・ほう)氏(85)ら天安門事件当時の指導者の支援をも受けている。事件を見直せば、長老や軍の反発は必至で、習氏の支持基盤の弱体化につながりかねない。
(3)党が持つ負の遺産は天安門事件だけではない。反右派闘争、大躍進、文化大革命、少数民族弾圧など数多い。1つについて謝罪すれば他のことに必ず飛び火し、ドミノ現象のようなことが起き、共産党の歴史が全部否定されかねない-。
この古参幹部は「一党独裁体制をやめるという決心がなければ、天安門事件の見直しは残念ながら、ない」と言い切った。(中国総局 矢板明夫(やいた・あきお)/SANKEI EXPRESS)