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後ろめたさ感じる 「事件」の目撃者に 「ヴァロットン-冷たい炎の画家」 (2/5ページ)

2014.6.9 11:05

「貞節なシュザンヌ」1922年_ローザンヌ州立美術館。Photo:J.-C._Ducret,Musee_cantonal_des_Beaux-Arts,Lausanne

「貞節なシュザンヌ」1922年_ローザンヌ州立美術館。Photo:J.-C._Ducret,Musee_cantonal_des_Beaux-Arts,Lausanne【拡大】

  • 「赤い絨毯の上に横たわる裸婦」1909年_ジュネーヴ、プティ・パレ美術館。(C)Association_des_Amis_du_Petit_Palais,Geneve/photo_Studio_Monique_Bernaz,Geneve
  • 「夕食、ランプの光」1899年_オルセー美術館。Paris,musee_d’Orsay
  • 「お金(アンティミテV)」1898年_三菱一号館美術館(提供写真)
  • 「赤い服を着た後姿の女性のいる室内」1903年_チューリッヒ美術館。(C)2013_Kunsthaus_Zurich.All_rights_reserved.

 版画「お金(アンティミテV)」はもっと意味深長だ。画面の3分の2以上が真っ黒に塗りつぶされている。左端では男性が女性に言い寄っている。浮気の現場なのか、それとも…。右側に広がる暗闇の中には何者かが隠れているのか。はたまた、読者が隠れるべき暗闇なのか。

 ヴァロットンが自分の家庭を描いた「赤い服を着た後姿の女性がいる室内」と「夕食、ランプの光」は、もっと不思議な絵だ。

 「赤い服-」では、連なる4つの部屋が開け放たれているが、シーツや衣類がだらしなくベッドやソファからこぼれている。後ろ姿の赤い服の女性はヴァロットン夫人(ガブリエル)だというが、何か大変な事件やトラブルが起きて、茫然(ぼうぜん)自失のまま立ちすくむ女性にもみえてくる。

 「夕食-」は一見、家庭だんらんを描いた絵だ。だが、中心部に黒々と描かれた男性らしき人物がヴァロットン自身。真ん前に座った幼い娘にも笑顔はなく、夕食はまったく楽しそうに見えない。家庭内での疎外感は、黒い人物像同様、心にぽっかりと空いた穴のようだ。

静けさと冷たさ

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