担当する流通、外食業界では人手不足が大きな問題となっている。製造業などでも問題になっているが、コンビニエンスストア、スーパー、専門店、居酒屋、牛丼チェーンといったサービス産業は、人がいないと成り立たないだけに深刻だ。経営者のインタビューや記者会見でも、人手不足が「経営上、当面の最重要課題だ」という声が多い。
この人手不足問題と同時に浮上しているのが、「ブラック企業」問題だ。本来、反社会的企業を指す言葉だったが、現在では、長時間勤務など労働環境が劣悪で、従業員を使い捨てにするような企業を指すようになっている。
この春に起きた人手不足を象徴する事象として、ゼンショーの展開する牛丼チェーン「すき家」が100店舗以上を営業休止にし、ワタミは今年度中に居酒屋チェーン「和民」など60店舗を閉鎖することを決めたことが話題になった。両社ともに、コスト削減のための少人数による店舗運営に人手不足が重なり、ネット上では、労働条件が過酷な“ブラック企業”と呼ばれることもある。