例えば、「カクタス スラッシュ トート」の持ち手にあしらわれたのは、皮のホルダーに収められた小さな鏡のチャーム(小さな飾り)。ちょっとした場面で身だしなみを確認できるようにという心配りが形になった。この鏡は、iPod本体裏面の鏡面磨き技術で有名な、新潟・燕三条の研磨職人による仕上げで、ロゴが配された艶やかな鏡面はこの上なく美しい。
また「バッグのデザインは初めて」という山本は、20~30代前半の女性3、4人のチームを編成し、女性はバッグをどう持つのか、ちょうどいい大きさや持ち手の幅は…というように、用の美を追究。そのため、見た目には重厚感があるのに、持ち心地は軽い。底には、鋲の代わりに「Y」の文字型に金属パーツを配すなど、隅々までこだわり抜かれたデザインだ。
また日本の伝統的な履き物の下駄に着想を得た「ゲタ トート」は、持ち手が底までくるりと渡され、下駄の歯のように本体を立たせる。ユニークなデザインは「まさに職人泣かせだった」(担当者)が、職人も大いに刺激を受けたのか、試作を4度も重ね、山本側のこだわりに応えたという。