近大の関連会社経営支援部の石原克人さんは「養殖魚は安全性も質も高いということを知ってもらいたかった。もともと食べてもらうために作っているので、一般の方の声を聞いて研究にも生かしたい」と説明する。
近大以外にも食品を通じて研究の成果を社会にアピールする大学は増えている。新宿高島屋で、5月28日から6月3日まで開かれた「大学は美味しい!!」フェアの会場は多くの客でにぎわい、多くのマスコミが取材に訪れていた。100食限定の定食が午後には連日売り切れとなるなど注目が集まっていた。
フェアを主催したNPO法人「プロジェクト88」の高橋菜里(なり)理事長は「せっかく研究しても、なかなか一般の人にアピールできる場がない大学も多い。大学に埋もれている研究成果を一般の人に伝える機会になれば」と話している。
取材の帰りに、出展していた大学が売っていた、牛肉のお弁当を買って帰った。肉が軟らかく、想像以上においしかった。このフェアは7回目で、過去最多の38大学が参加したという。近大マグロのように、大学発の人気食品も続々と登場しそうだ。(油原聡子/SANKEI EXPRESS)