【京都うまいものめぐり】
京都御苑の南、丸太町から御池にかけての通りには画廊や骨董品店などが軒を連ね、“寺町美術通り”とも“骨董通り”とも呼ばれている。通りに面したフレンチレストランの「メシャンルー」は、紫色の外観がひときわ目を引く存在だ。アミューズ(前菜の前に出される小さな料理)からデザートに至るまでの一品一品が、想像以上の感動と満足を与えてくれた。
店内は右側の白い壁を背に黒いソファ席がすっきりと配置されている。装飾を抑えたシンプルな“大人の空間”は、ゆったりと食事を楽しむのに最適。料理はコースのみだ。
野菜の甘みと香り生かして
最初の一品は、サンマルスラン(チーズの種類)が中に入った一口サイズの小さなブリオッシュ(パンの一種)。サクッと口に入れるとチーズがとろ~りと滑らかに解け、豊かな風味が広がる。「シュー生地で作ったグジェールをモチーフにし、もっと小さく濃厚に考えた料理です」とシェフの長野浩丈さん(34)。