【京都うまいものめぐり】
京都五花街の一つ、先斗町(ぽんとちょう)。ひと昔前は「一見さんお断り」のイメージが強かったが、今は気軽に入れる飲食店も増えた。中でも「常連客は旅人のあなた」をキャッチフレーズにしている「山とみ」は、家庭的な雰囲気で京都らしい料理や珍しい酒を供し、リピーターも多い。昨年(2013年)大ヒットしたTVドラマ「半沢直樹」のロケが行われたこともあり、さらににぎわいを見せている。
先斗町とは、三条通りの一筋南から四条通りまで通じる鴨川沿いの南北約500メートルの細長い通りを指す。春が過ぎると川沿いの店が川の上(もしくは川のよく見える位置)に座敷を設け料理を提供する「床(ゆか)」が始まる。京の夏の風物詩の一つ。「山とみ」も5月に入ると床開きをする。
熱々の天ぷら「はふはふ」
初夏の風を受けながら、名物の「鉄ピン揚げ」をいただく。湯ではなく油の入った南部鉄器の鉄瓶で、四季折々のネタに衣を付けて自分で串を揚げるスタイルだ。
まずは新鮮なエビに衣をつけ、油に投入。うっすら色づいてきたら引き上げて、熱々をはふはふ言いながら食べる。鉄ピン揚げは、肉や魚、野菜の串16種類に、ご飯、赤だし、香の物、デザートがついてボリューム満点だ。