しかし最近は、日銀の首脳が成長戦略に言及する場面も目立ち始めた。
岩田規久男副総裁(71)は(6月)3日の講演で「潜在成長力を高めるのは金融政策ではなく、規制改革などの政策手段を持っている政府の役割だ」と述べ、金融政策で物価上昇を目指す日銀と、成長戦略を実行する政府の役割分担を強く訴えた。
また黒田総裁も23日の講演で「政府による成長戦略の着実な実行に強く期待している」と発言している。
日銀が懸念するのは「マイルドなインフレ下における低い実質成長」(岩田副総裁)に陥ることだ。
消費税増税の影響を除く4月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比1.5%上昇した。11カ月連続のプラスで、脱デフレに向け「道筋を順調にたどっている」(黒田総裁)という。