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【だから人間は滅びない-天童荒太、つなげる現場へ-】(7-2) 自然は財産 都会の人に「幸せ」提供 (1/3ページ)

2014.6.28 11:10

1991年から2005年に四賀村(しがむら)が松本市に合併されるまで村長を務めた中島学さん。現在、農事組合法人「会田共同養鶏組合」会長理事=2014年、長野県松本市(緑川真実さん撮影)

1991年から2005年に四賀村(しがむら)が松本市に合併されるまで村長を務めた中島学さん。現在、農事組合法人「会田共同養鶏組合」会長理事=2014年、長野県松本市(緑川真実さん撮影)【拡大】

  • 各ラウベの間には豊かな木々が。集落の中を歩くだけでもハイキング気分=2014年、長野県松本市・四賀クラインガルテン(緑川真実さん撮影)
  • 長野県松本市・滞在型市民農園「四賀クラインガルテン」

 日本初のクラインガルテンを誕生させたのは、当時四賀村の村長だった中島学さん(84)。クラインガルテンに込めた思いを聞いた。

 天童荒太さん(以下天童) 四賀クラインガルテンは、都会と農村を地道につなげていらっしゃる。どのように、ここが生まれたかをお聞かせいただけますか。

 中島学さん(以下中島) 私は1980年代の半ば、ある団体の仕事で、東京の新宿に4年ほど暮らしていたことがあるんです。冬は長野県人も大丈夫なんですが、夏になると息苦しくてたまらない。週末に長野へ帰ってくると、空気が違う。ああ、ふるさとへ帰ってきたなあ、としみじみ思う。そのとき感じたのは、東京の人はかわいそうだということ。たまたま私たちは大自然を維持できている。仕方がなく経済圏にいるかわいそうな人たちにこの自然を開放すべきだと。

 ここは今は松本市ですが、昔は四賀村(しがむら)といいました。面積の82%がなだらかな里山ですが、新潟港まで流れる信濃川の最上流という非常に重要な場所でもある。水を作る場所ですから、汚れた水を流してしまうと、海で近海魚を汚染してしまう。ですから、環境保全をしなければならない。それには、ここに住む人を出発点として、日本中の人が広く関われる環境教育をしようと決めました。

農地法、予算の壁

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