≪日本初の滞在型市民農園「四賀クラインガルテン」≫
週末は雄大な北アルプスを眺めながら農業を-。一般的な市民農園とは違い、「ラウベ」と呼ばれる休憩小屋に滞在しながら土いじりを楽しむドイツ発祥の滞在型市民農園「クラインガルテン」。ドイツ語で「小さな庭」を意味するクラインガルテンは、都市と農村をつなぐ新たなライフスタイルとして受け入れられ、現在全国約70カ所に広がっている。
「つなげる」をキーワードに、作家・天童荒太(てんどう・あらた)さん(54)が社会を支える人々と対話する不定期連載「だから人間は滅びない」。今回は1994年に日本で初めての滞在型市民農園として誕生した長野県松本市(旧四賀村)の「四賀クラインガルテン」を訪れた。
松本駅から約20分。集落を見おろす高台でタクシーを降りると、目の前には青々と輝く北アルプスが広がる。澄み切った空気に、思わず深呼吸してしまった。
長靴と帽子、土に染まった手。すっかり「農夫」といういでたちで迎えてくれたのは、埼玉県川越市在住のフリーライター、岡崎英生さん(70)。18年前から普段は川越の自宅で過ごし、週末になるとクラインガルテンへ通ってくるというスタイルを続けている。「いきなり定住だとハードルが高いけれど、ときどき通ってくる、というパターンがちょうどよかったのかな。今の夢は定住ですけどね」