今回、台風8号が7月にしては極めて強い勢力に発達したのは、進路上の熱帯の海面水温が平年より高かったためだ。台風は海面からの水蒸気が凝結したときに放出される熱がエネルギー源。水温が高くなる夏から秋にかけては、発生が多くなる。気象庁の解析によると、8号が発生した(7月)4日以降、太平洋西部熱帯域の海面水温は平年より1~2度高い30~31度だった。台風の発達には29~30度以上が必要とされ、気象庁の担当者は「この時期としてはかなり高い」と驚いている。
気象庁は台風に備えた具体的な主な行動として、事前に避難経路を確認する、沿岸部など危険な場所には近づかない-などを挙げている。また、「停電や断水に備え、飲料水の確保や携帯用ラジオなど非常用品の用意を」と呼びかけた。
台風8号は9~10日に九州など西日本に接近すると予想される。気象条件によっては11日にも関東に接近する可能性があり、東日本の住民らも警戒が必要だ。