札幌のほぼ中央にある藻岩山(もいわやま、標高531メートル)。名作マンガ『動物のお医者さん』で、主人公の愛犬チョビが迷子になってしまった山です=2014年7月21日、北海道札幌市南区(乾ルカさん撮影)【拡大】
将来を嘱望されるキャリア組の音無警部は、絶世の美貌の持ち主。男なんて必要ないと自立するクールな女刑事、則竹佐智枝(のりたけ・さちえ)がぼーっとなって、仕事中も目くるめく妄想に耽(ふけ)ってしまうほどの美しい男性です。でも音無警部はキャリア組の給料の大半をぬいぐるみ収集につぎ込むという、ちょっと変わった趣味があります。
これが並のルックスの男だったら、「男のくせにテディベアとか、ぬいぐるみに名前を付けてうちの子呼ばわりとか、ドン引き」と読者もなるでしょう。でも、音無警部は許される。なぜなら美しいから。まさに「ただし、イケメンに限る」「イケメン無罪」状態。音無警部のぬいぐるみに対する偏愛ぶりは、モノローグでふんだんに語られ、ややもすると、いい大人の男が…と引いてしまいそうになるかと思いきや、誰もが見惚れる美しい人のモノローグですので、「もっと妄想して!」「そんなにぬいぐるみが好きなんだ。美形でキャリアなのに、可愛い!」となるのが不思議です。