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イケメンにだけ許される「変」な趣味 乾ルカ (3/5ページ)

2014.7.27 14:30

札幌のほぼ中央にある藻岩山(もいわやま、標高531メートル)。名作マンガ『動物のお医者さん』で、主人公の愛犬チョビが迷子になってしまった山です=2014年7月21日、北海道札幌市南区(乾ルカさん撮影)

札幌のほぼ中央にある藻岩山(もいわやま、標高531メートル)。名作マンガ『動物のお医者さん』で、主人公の愛犬チョビが迷子になってしまった山です=2014年7月21日、北海道札幌市南区(乾ルカさん撮影)【拡大】

  • ピンポーン!とクイズ番組の早押しのような体勢のまる。前足が器用な乾家の愛犬が、お気に入りの札幌の風景をご案内します=2013年4月28日、北海道札幌市(乾ルカさん撮影)
  • 「赤い糸の呻き」(西澤保彦著/創元推理文庫、842円、提供写真)
  • 「ぬいぐるみ警部の帰還」(西澤保彦著/東京創元社、1620円、提供写真)
  • 【本の話をしよう】作家、乾ルカさん=2月15日(提供写真)

 もちろん、この作品、キャラクターの魅力だけではありません。読者への挑戦も付いている、れっきとした本格ミステリです。

 他4編に音無警部は登場しませんが、いずれも短編ながら読みごたえのあるミステリばかり。「墓標の庭」「カモはネギと鍋のなか」「対の住処」と、どこかしら独特な、だからこそぐいぐいと引き込まれるせりふ回しに導かれて話は進み、はっと最後に気づけば見事にだまされている。「えっ、そんな」と思って読み返すと、ちゃんと論理的に成立していて、ついついうなってしまうこと請け合いです。

 表題作の「赤い糸の呻き」も、正統派ミステリでありながら、ある意味一種のホラーでもあり、切なくも一途な純愛小説としても読めてしまう。3年前に起こった、停電したエレベータ内での殺人について、その場にいた女性刑事が彼女の義理の妹(八面玲瓏たる美女!)に語り、2人が会話するという形で、話は進行していきます。2人のガールズトーク-内容は殺人事件についてなのですが-で、疑問や矛盾、動機がひもとかれていき、ついにはエレベータ殺人の真相が明かされる。

ずっとそのままで…

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