そんなネイマール選手をいろいろな報道で目にすることで、私自身のことをふと思い出した。ネイマール選手はまだ22歳と若いが、故郷のブラジルで「プロジェクト・ネイマール・ジュニア財団」を設立。貧困に苦しむ子供たちに、スポーツと教育の支援をしているという。ネイマール選手の出身地であるブラジル・サンパウロ州のモジ・ダス・クルーゼスでは、子供たちは裸足でサッカーボールを蹴っているという。芝のグラウンドもなく、環境が整っているかと聞かれれば、「NO」である。それでもサッカーボール一つあれば、彼らにとっては幸せなのだという。世界には靴を履くことすらできないまま、スポーツをしている子供がいるのが現状だ。
私は高校時代、あることがきっかけで、世界では、日本の「当たり前」が通用しないということを実感した。海外などの試合に日本代表として出場する場合、新しい水着やユニホーム、靴やかばんなどを水泳連盟から支給してもらう。それはもちろん新品で、私の体にピッタリ合ったものだ。当時は支給してもらうことに対し、ただの一つの疑問も抱くことはなかった。