「未来への贈り物」をテーマに日本の歌に向き合う歌手の多田周子(ただ・しゅうこ)さん(大山実撮影)【拡大】
夏の訪れとともに思い出されるのは、遠い日の記憶ではないだろうか。長い休みのうちに目にした幼い日の光景は、胸の奥で静かに響く叙情歌の世界そのままの情感をたたえている。歌手の多田周子さんは「未来への贈り物」をテーマに、精妙な言葉の響きを織り込んだ日本の歌と向き合って、温かな詩情を運ぶ。
母の叙情歌が原点
産経新聞1面の題字にスマートフォンやiPadをかざし、動画やスライドショーが見られる「かざすンAR」では、多田さんが歌う「浜辺の歌」「赤とんぼ」、オリジナル曲「ありがとうふるさと」などを美しい日本の映像とともに聴くことができる。いつの時代も変わらない日本人の心を運ぶ清新な歌声は、幅広い世代で大きな共感を呼んでいる。
「ダウンロードという言葉さえ遠い世界のようにされていた年配の方も、デジタル機器を身近なツールとしている若い世代の方も、気軽に利用され、音楽への興味を深くされていることに心が動かされます」と多田さん。