主婦のイラ(ニムラト・カウル)は、会話すらなくなった夫の愛情を取り戻そうと、腕によりをかけて4段重ねの弁当を作り、ダッバーワーラーに託すが、弁当は定年間際の男やもめ、サージャン(イルファーン・カーン)のもとへ誤って届けられてしまう。イラは空っぽになって戻ってきた弁当箱を見て胸を躍らせるが、夫の反応は薄い。不審に思ったイラは翌日、弁当に手紙を忍ばせ…。
歌、踊り切り捨て
サージャンの会社の後輩、シャイク(ナワーズッディーン・シッディーキー)を含め、主要な登場人物3人が心のよりどころとする宗教が、イスラム教、ヒンズー教、キリスト教とそれぞれ違うことに目を見張るだろう。「まるで違うバックグラウンドを持つ登場人物を描くということは、多文化が共存するムンバイを描くうえで重要なこと。それらが不思議と有機的につながってくるからです。敬虔(けいけん)さの度合いとか宗教的な側面を描くことは重要ではありませんでした」